お尻歩きは肛門嚢炎のサインかも?

 

10歳になるマルチーズを飼っているのですが、最近、お尻歩きをするようになりました。また抱っこしたあとに異様に臭いドロッとした液体が服に付いていたりもします。何かの病気でしょうか?


犬が肛門嚢炎になると肛門周辺の不快感から
肛門を床に擦りつけるお尻歩きをしたり、肛門をしきりに
気にして舐めたり、肛門嚢内部が細菌感染して炎症を
起こして、膿が肛門を通じて外部に流れてきます。
抱っこしたあとや、犬がお気に入りのソファーから離れた
あとに臭いドロッとしたものが付いている場合は膿と思われます。
また炎症で腫れた肛門嚢が直腸を
圧迫して便秘になったりします。

 

10歳になるマルチーズを飼っているのですが、最近、お尻歩きをするようになりました。また抱っこしたあとに異様に臭いドロッとした液体が服に付いていたりもします。何かの病気でしょうか?


 

犬の肛門付近に穴が空いてしまいました!どうしたらよいでしょうか?

 

犬の肛門付近に穴が空いています!全く気が付かなかったのですが・・・。
痛がっている様子もないです。しかし穴、傷口が気になるのか、しきりに舐めています。
直ぐに病院に行ったほうが良いでしょうか?


どうやら犬の肛門嚢が破裂してしまったようです。
犬の肛門嚢に分泌物溜ってくると肛門嚢から
肛門付近へ繋がる管から主に排便時などに
便と一緒に排出されたりするのですが、管が炎症を
起こして詰まっていたりすると、分泌物がどんどん
肛門嚢に溜ってしまい遂には破裂してしまいます。

普段から肛門腺しぼりや、犬の肛門付近を観察して
いれば、肛門嚢が膨らんでいるのが分かったりするのですが
(犬の肛門を中心に時計の4時と8時の位置がプックリする)
そこまでチェックしていない場合には、犬の肛門嚢が
破裂して一気に肛門嚢内にあった分泌物が飛び散るため
臭くなり、その臭いから肛門嚢が破裂したことを知る
飼い主さんも多いです。

肛門嚢が破裂した傷口はどのぐらいで治りますか?縫ったりしないでいいんですか?

肛門嚢が破裂!と聞いて焦るかもしれませんが
ほとんどが外科的に縫合の必要はありません。
傷口の消毒を1日に数回して抗生剤の軟膏を塗って
あげて、飲み薬などもしっかりと飲ませれば
1週間、長くても半月で完治します。
ただ、傷口が気になって舐めてしまう犬のいますので
その時はエリザベスカラーなどが必要ですね。
まずは病院で診察を受けて、薬などを処方してもらって
家に帰ってからの治療法などを教えてもらいましょう。

犬の肛門嚢炎の症状は?飼い主さんに聞いたあの行動がもしかして

愛犬の肛門嚢炎に悩んだ飼い主さんに聞きました!
肛門嚢炎は急になる病気ではありません。
犬の肛門嚢に分泌物が少しずつ溜って
上手く排出されなくなって、細菌感染して肛門嚢が
炎症を起こす、また肛門嚢が破裂するなどしてしまいます。

それまでに必ず、犬は肛門嚢炎の症状を見せていたはずです。

私の犬を飼っている知人、犬の肛門嚢炎を経験した知人
また、掛かりつけの獣医さんに実際に聞いた
「もしかして、あのしぐさが肛門嚢炎の症状だったのかも」
を紹介します。

その@ お尻歩きをする、肛門を床にこすりつける。

 

肛門嚢に溜った分泌物が肛門から上手く排出されないために
犬はそのから肛門の不快感をなんとかしようとして
舐めたり床にこすりつけたりします。

そのA うんちをする時に泣き叫ぶ、がうんちが出ない、ほとんど出てない。

 

肛門嚢が化膿して腫れると直腸を圧迫するので
うんちが出にくくなります。また、うんちが逆に化膿した
肛門嚢を刺激して激痛が走り、犬は泣き叫びます。

「便秘かしら?この子、うんちが出にくい子だから・・・」と
思っていて、しばらく様子を見ていたら、犬の肛門嚢が破裂した知人もいます。

犬の肛門嚢炎は予防できる?肛門腺搾りは必要なの?

肛門嚢炎の原因は犬の肛門嚢に溜ってしまった分泌物が
細菌感染してしまうからです。
この肛門嚢に溜る分泌物を排出してあげると
肛門嚢炎になる可能性も下がります。

 

肛門嚢炎予防にはなんといっても肛門腺搾りです!

「肛門腺搾り」聞いたことある人も多いと思います。
家で犬の肛門腺を搾ってあげている人もいるでしょう。
また、美容院に連れていった時にトリマーさんに
肛門腺を搾ってもらってる人もいるかと思います。

犬の肛門腺搾りも慣れてくれば上手く被害?なく
出来るのですが、慣れていないと肛門腺からの分泌物が
思わぬ方向に飛び散り、臭いから大変なことに・・・。
まぁシャンプーの時にお風呂場で搾ればよいのですが
やはりプロに任せるのが安心で間違いないかと。

そもそも、犬の肛門腺搾りは必要なの?

「犬の肛門嚢炎予防に肛門腺搾りが有効なのは分かったけど
本当に肛門腺搾りは必要なの?」という疑問が起こります。

答えは「犬の個体による」です。
考えてみれば当然なのですが人間でも汗っかきの人もいれば、
あまり汗をかかない人もいます。便通のよい人は毎日、
うんちも出るでしょうが3日ぐらい便秘でも平気な人もいます。

犬の肛門嚢も同じで、肛門嚢に分泌物がほとんど溜らない犬もいれば
3日ぐらいで肛門嚢が溜ってしまう犬もいます。
肛門嚢の大きさも犬によって違いますからね。

犬は本来野生の生き物で肛門腺を搾ることなど
絶対にしていませんでした。
肛門腺からの分泌物で自分のテリトリー(縄張り)を
主張してきたはずです。
と言っても、ペット、家族となった犬の肛門から
かなり不快な臭いや、ソファーや衣服に分泌物を
付けられて、あの臭いが取れなくなっても困ります。

犬の肛門が臭ってきた、ソファーに分泌物が付いた
などを感じれば犬の肛門腺を搾ってあげればいいと思います。
肛門腺を搾った日を記録しておけば、どのぐらいの日にちで
その犬の肛門嚢が分泌物で溜ってきて臭いがするのかが
分かってくると思いますので、その少し前に肛門腺を
搾ってあげれば嫌な臭いに悩まされることもなくなるでしょう。

肛門嚢炎の原因とは?

肛門嚢に分泌物が溜ると細菌感染しやすくなり
肛門嚢炎になります。

犬の肛門嚢炎の具体的な治療は?

 

肛門腺を搾るとか、抗生剤を肛門嚢に投与するとか、いろいろあって分かりません。
犬の肛門嚢炎治療を段階的に分かりやすく教えてください。


 

これから犬の肛門嚢炎治療を段階的に詳しく説明しますね。


肛門嚢炎が初期の段階での治療は?

肛門嚢の炎症が酷くないときには、炎症の原因である細菌が
増殖しやすい膿を肛門嚢内から搾りだします。
そして抗生剤などを投与して、しばらく犬の肛門嚢の様子を見ます。
肛門嚢炎が初期の場合にはこの治療で1週間から長くても
2週間で完治に至ります。

なかなか治らない犬の肛門嚢!治ったと思ったらまた・・・

カテーテルで炎症を起こしている肛門嚢に抗生剤や
消炎剤を投与して、症状が治まっていたのに・・・。
しばらくするとまた肛門嚢炎になってしまったという犬の
多いようです。
再発する場合は炎症を起こしている細菌に対しての
投与した抗生剤の効果が低かった、効果が薄い抗生剤を
投与していたケースが多いです。

感受性試験で効果のある抗生剤を見つけましょう。
感受性試験というのは、現在、炎症を起こしている細菌を
取り出して培養して、培養した細菌に複数の抗生剤を
投与して、その細菌にどの抗生剤が最も効果が高いのかを
判定する試験です。細菌を増やすのと抗生剤投与を
くり返しますので、1週間ぐらいの時間が必要になりますが
効果の高い抗生剤を見つけられますので、その後の
治療効果は高いです。
「これ以上の肛門嚢炎の再発に我慢出来ない!」
「また膿が出てる・・・。先月完治したのに・・・。」
と犬の肛門嚢炎再発に悩んでいる人も多いです。

 

 

 

肛門嚢内の化膿が進行していて膿が大量にでる

肛門嚢内の化膿が進んでしまっていて膿が大量にでる
膿がすぐに溜ってしまうなどの場合は、犬の肛門嚢を少しだけ
切開してそこから肛門嚢内の膿を出して肛門嚢内の
洗浄をして抗生剤を投与します。
抗生剤は肛門嚢の奥まで届きにくく肛門から肛門嚢に
繋がっている管を通して抗生剤を投与するよりも
肛門嚢を切開して投与するのがより確実だからです。

切開して抗生剤を投与したのに、なかなか治らない状態

「犬の肛門嚢炎がなかなか治らない・・・。」
「肛門嚢を切開して洗浄して抗生剤も投与したのに再発・・・。」
なんて疲れてしまっている飼い主さんのいるかもしれません。

細菌を特定して肛門嚢を切開、洗浄までしたのに
なんで再発?もういい加減にしてよ!と思われても
当然です。
ここまで長引くのはいろんな抗生剤を投与してしまって
細菌に耐性が出来て抗生剤が効きにくくなってしまった。
細菌が肛門嚢内から漏れているために
切開の場所や角度が悪かったために、細菌が潜んでいる
箇所が洗浄出来ていない、抗生剤が届いていない。
などがあります。

犬の肛門嚢の摘出も考えてみましょう。

犬の肛門嚢炎が慢性化している場合は抗生剤の投与などでは
完治が難しいです。
根本的な治療として肛門嚢の摘出も考えてみましょう。
犬の肛門嚢を外科的摘出するのは怖いイメージが
ありますが、それほど危険な手術ではありません。
獣医さんとよく話しあってみても良いでしょう。
炎症が慢性化している肛門嚢だけを摘出するのか
両方を摘出するのかも相談しましょう。

 

 

 

 

 

 

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