犬のオスの50%は前立腺が肥大しています。

診察を受ける犬

老犬の50%以上は前立腺肥大が肥大しています!
前立腺肥大は人間と犬しかならない病気です。
前立腺の肥大は徐々に進んでいきますので、症状が現れて
初めて犬が前立腺肥大になっていることを知る飼い主が多いです。

成犬の50%は前立腺肥大になっているデーターも
ありますので、加齢が進んだ老犬ですと50%以上の犬が
前立腺が肥大していると考えても良いでしょう。

犬の前立腺が肥大していると言っても
前立腺が肥大すること自体では症状が出ません。
前立腺が肥大することによって前立腺周辺の
尿道であったり、直腸などを圧迫して排尿や排便の
妨げとなります。

犬の前立腺肥大の症状とは?

 

12歳になるマルチーズを飼っているのですが、最近、平たい便をするようになりました。
また、オシッコも出にくいのかムズ痒いのか何回もトイレに行くのですがスッキリと出ていないようです。


犬の前立腺肥大の症状は排尿や排便に異常が出ることです。
便が平たくなった、便が少しずつしかでていない、オシッコがでていない
などは肥大した前立腺が尿道や直腸を圧迫するために
起こる典型的な症状です。
発熱や頻繁に吐くなどの症状が見られずに
排尿や排便の異常だけ現れるときは犬の前立腺が肥大して
いる可能性があります。
前立腺の肥大が進行すると直腸の大部分を
圧迫して塞いでしまい、犬は便秘を起こすこともあります。

 

犬の前立腺肥大に詳しくなろう!症状治療など徹底解説

 

 


前立腺の肥大の程度によって治療方法は変わります。

前立腺肥大の治療ですが、前立腺の肥大の程度によって
治療方法も変わります。

まずは、前立腺の肥大の程度がそれほどでもなくて
今後、肥大しないと獣医さんが判断されたのであれば
食事療法で便秘に気をつけながら生活することもあります。

前立腺は肥大しているけど、手術をするまでもないときは
ホルモン剤を犬の体内に埋め込み経過をみるという
治療方法もあります。前立腺肥大の原因と考えられている
精巣から分泌されている雌性ホルモンのエストロゲンと
雄性ホルモンのアンドロゲンのバランスを整えるホルモン剤を
犬の体内に埋め込みます。

そして、ここからが手術を伴う治療方法なのですが
まずは去勢ですね、去勢を行うと前立腺は今後肥大しませんので
犬の前立腺肥大の心配からは解放されるのですが
去勢にはデメリットも当然あります・・・・。

前立腺が肥大がかなり進行していて、直腸を圧迫し
便がでない・・・。尿道も圧迫していてオシッコもままならいような
状態ですと、犬の前立腺自体を手術によって摘出する場合があります。
この前立腺摘出はかなり高難度の手術ですので、あまり選択はされません。
老犬にもなりますと、更にリスクは高まりますので・・・。

犬の年齢、前立腺の現在の肥大具合とこれからを考えて獣医さんと
今後の治療方法を決めなければいけません。

犬の前立腺摘出手術の危険性とは?

犬が前立腺肥大症になり、肥大した前立腺が尿道や直腸を圧迫し
過ぎて尿や便がほとんど出ない状態になると犬の前立腺を手術で
摘出するという治療も考えられます。

前立腺肥大の原因である雄性ホルモンを分泌している
精巣を摘出する去勢や、分泌されているホルモンのバランスを
整えるホルモン剤投与や埋め込む内科的療法よりも
効果は当然あります。
肥大している前立腺自体を外科的に摘出するのですから。
しかし、犬の前立腺摘出手術は危険性があります。
前立腺の周辺には尿道や直腸があり、排尿などに関する
神経や血管が無数にはしっています。
前立腺摘出手術の最中に万が一でも、これらの神経や
血管を傷つけてしまったら・・・・。
犬の前立腺を摘出することによって前立腺肥大は
あり得ませんが、尿や便を垂れ流しながら生きていくことになる可能性がでてきます。

また犬の前立腺摘出手術を行ったことがない獣医も多く
神経や血管の損傷の問題だけでなく、適切な処置を
しないと手術後の合併症などの問題も発生します。

このような問題が前立腺摘出手術にはありますので
獣医さんも摘出手術はしたがらないし、お勧めも
してこないのが現状です。

前立腺肥大の予防には早期の去勢です。

犬の前立腺肥大の予防には早期の去勢が必要です。
犬が若いときに去勢をすると前立腺の肥大は起こりません。

ではなぜ去勢をすると前立腺は肥大しないの?

精巣から分泌される雄性ホルモンのアンドロゲンと
雌性ホルモンのエストロゲンが犬の前立腺肥大に影響しています。

犬が高齢になるにつれ、この精巣から分泌されているアンドロゲンと
エストロゲンの分泌量のバランスが崩れてしまうために、犬の前立腺が
肥大してしまうことが確認されています。
犬が幼いときに去勢するとアンドロゲンとエストロゲンの分泌自体が
なくなりますので前立腺も影響を受けずに将来、加齢による肥大も
起こりません。

老犬なので全身麻酔の心配もあり去勢はしたくないのですが・・・。

 

老犬なのですが、便が平たくなってきてオシッコもあまり出ていないようなので病院で診てもらうと前立腺肥大の診断を受けました。根本的な治療として去勢を勧められたのですが、老犬ですので全身麻酔の危険性の心配もあり悩んでいます。ホルモン剤を投与する治療もあるようですが。どうしたらいいのやら・・・。


去勢のための全身麻酔の危険性か?ホルモン剤を投与し続ける危険性か?
犬の前立腺肥大の治療として去勢は最も効果が望めます。
例え前立腺がそんなに大きくなっていなくても将来を考えて去勢を
選択すのが賢明だと思いますし獣医さんも去勢を勧めるはずです。
しかし、去勢となると全身麻酔が必要ですし、高齢犬、老犬とも
なると全身麻酔への危険性が頭をよぎるはずです。

ホルモン剤投与では一時的に前立腺肥大は治まり
犬の便やオシッコなどは普通に戻ってきますが、
ホルモン剤投与を止めると、前立腺は肥大し始めて
また前立腺肥大症になります。
去勢をしないとホルモン剤をずっと犬に投与し続けないと
いけないことになります。
外部からホルモン剤を投与する副作用やリスクも
発生してきます。
犬への身体の負担、治療費の問題、通院の負担などが
ずっと付いてきます。

去勢をすると確実に前立腺の肥大は止まり元の大きさに
近づきますので(前立腺の肥大が悪性のものでない限り)犬も
前立腺肥大のために苦しむことはなくなります。

「それでも全身麻酔は怖いイメージが・・・」という人もいますが
全身麻酔での治療のレベルも上がり危険性を心配することも
ほとんどないそうです。

しかし大切な家族の命ですので、前立腺の状態を獣医さんと
しっかり話し合って、時にはセカンドオピニオンも考えて
治療を進めて早く前立腺肥大症の苦しみから愛犬を
救ってあげてください。

 

前立腺肥大かな?他の病気かな?前立腺肥大と似た症状を見せる病気

犬は賢く繊細な動物ですので環境の変化などのストレスが便秘の原因になったりします。
また食物繊維の不足、逆に取り過ぎも便秘の原因になります。
便秘は重大な病気のサインである場合も多いので日頃の注意が必要です。

 

病名

            症状

肛門嚢炎

[ 便秘、排便時に泣き叫ぶ、肛門を床になすりつける、肛門を舐める ]
犬の肛門を中心として4時と8時の方向には肛門嚢(こうもんのう)と言われる小さな袋があります。この肛門嚢が細菌などに感染して腫れると肛門を圧迫して排便時に激痛が走って排便が困難になり、便秘になってしまいます。また便秘だけでなく、排便時に激痛が走りますので泣き叫ぶ犬もいます。

肛門周辺の毛が肛門を塞いでいる

毛の長い犬に多いのですが、肛門周辺の毛が絡まって肛門を塞いでしまって排便ができなくなってしまうことがあります。毛の長い犬は肛門周辺の毛を確認して必要ならば適度にカットすることで予防できます。
固まってしまっている毛はカットできる部分はカットして、残りのこびりついた毛はタオルをぬるま湯などで濡らして、ほぐしながら取り除いてください。
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