ふけが出て、しかも首・耳・などから左右対称の脱毛がありませんか?甲状腺機能低下症かも。
前よりも元気がなく食欲もかなり低下しているのに体重が増えてきている。
ふけが以前よりも多くでて、首・耳・尻尾などを中心に
左右対称の脱毛が始まっていませんか?
「甲状腺機能低下症」の可能性があります。
- 食べていないのに太った
- ふけが以前よりも多くなった
- 首・耳などを中心に左右対称の脱毛がある
これらが「甲状腺機能低下症」の主な症状なのですが
その他の症状としては
- 顔がむくんで以前と表情が変化した
- 性格が変わった。具体的には神経質になった
などの症状も「甲状腺機能低下症」にみられるものです。
甲状腺機能低下症の原因は?
この「甲状腺機能低下症」は大変多い病気なのですが
その原因は犬の甲状腺自体が委縮してしまって
甲状腺ホルモンを分泌する細胞が最後には壊死してまうことに
よって起こる病気です。
免疫異常、どのような異常かと言えば
自分の免疫が自分の細胞を攻撃してしまうという異常事態が
犬の甲状腺で起こっています。
この免疫異常の為に以前より、ふけが出る、
食べていないのに太った、左右対称の脱毛が始まる
または脱毛が進行して皮膚が見えるくらいに毛が抜ける犬もいます。
甲状腺ホルモンのサイロキシンというホルモンがあるのですが
このサイロキシンが身体の新陳代謝を活発にして被毛などを
成長させます。
「甲状腺機能低下症」によってサイロキシンなどの分泌が減ると
被毛などが脱毛してしまい、酷い場合は皮膚が見えるぐらいに
脱毛してしまう訳です。新陳代謝が低下しますので
以前よりもふけも目立つようにもなってしまいます。
原因は甲状腺自体の委縮と、その他
甲状腺に腫瘍が出来て甲状腺が本来の
働きを行えずに免疫異常を起こすこともあります。
ドーベルマンやゴールデン・レトリーバーに
多く発症するデータがありますので注意が必要です。
治療方法は?チロキシン投与で元気がない・左右対称の脱毛などの改善をはかります。
甲状腺機能低下症は
甲状腺ホルモン(チロキシン)の分泌量が低下しますので
この甲状腺ホルモンを投与します。
人工的に造られたチロキシンを投与するのですが
本来、甲状腺から分泌される天然のホルモンと違い
人工のホルモンはその効果を発揮するまでに
多少の時間を要しますが
一度、効果が体内に現れだすと
その効果の持続時間が長いというメリットがあります。
チロキシン投与を始めて
左右対称の脱毛・ふけが出る・元気がないなどの
症状改善がみられるまでに三週間ぐらいかかります。
そして、それらの症状が改善してくれば
ホルモン投与の量を徐々に減らして治療していきます。
根本治療にはなりませんが
ふけ・脱毛・元気がないなどの症状が
かなり改善されるのは間違いありません。