犬が激しく嘔吐し数時間後に下痢が始まるのはパルボウィルス感染症です。

激しい嘔吐と下痢

パルボウィルス感染症またはパルボウィルス性腸炎。

 

 

 パルボウィルス感染症の症状とは

 

2〜5日間の潜伏期間を経てから突然、激しく嘔吐して
その数時間後に下痢が始まります。

 

その下痢の便も通常の下痢のような単に水分量の多い下痢の便ではなく
灰白色(かいはくしょく・灰色がかった白色)の便が出て、その後
血液が混じった粘液状のケチャップのような便に変化します。

 

この便は悪臭を伴うこともあります。

 

また、激しい嘔吐と下痢をくり返すことにより
脱水症状を引き起こし体力が低下してショック状態に陥ることもあります。

 

生後3〜9週目の子犬が感染すると心筋に炎症を起こすことがあり
この場合、発症してから最悪1〜2日で死亡に至ります。

 

 

 パルボウィルス感染症の原因は?

 

激しい嘔吐や下痢を引き起こすパルボウィルス。

 

どのような感染経路があるかというと

 

パルボウィルスに感染した犬の便や嘔吐物、食べ残し、または食器などに口や鼻を
つけることによる経口感染が主な原因ですが、人間が感染している犬を触った手や
触れた衣服に犬が口や鼻をつけることによっても簡単に経口感染してしまいます。

 

激しい嘔吐と下痢が症状のパルボウィルス感染症ですが
生後3か月を過ぎた全ての犬が感染する可能性があるのですが
特に感染率が高いのが生後10〜12週目ぐらいの子犬です。
なぜこの時期の子犬の感染率が高いかというと
母犬の体内にいた時に受け継いだ抗体の効力が
消えるのがこの頃の子犬だからです。

 

子犬がパルボウィルスに感染し腸炎を起こすと
心筋に炎症を起こした場合と同じように激しい嘔吐と下痢の症状が
現れてから、恐ろしいことに1〜2日で90%が死亡します。

 

 

 

 パルボウィルス感染症の治療は?

 

パルボウィルスの治療
パルボウィルス感染症と診断されたら他の犬への感染を防ぐために
隔離入院をさせて治療にあたります。

 

現在このパルボウィルス感染症に対して効果的な薬はありません。
激しい嘔吐や下痢によって脱水症状を起こしている状態からの回復を図り
乳酸リンゲルなどを輸液したり輸血を行ったり、
酸欠によるショック状態にあるならば酸素吸入なども行います。

 

また弱り切った胃腸を回復させるために整腸剤なども服用させて
免疫力も低下してしまった身体が細菌や別のウィルスに感染されないように
抗生物質なども投与させます。

 

この治療期間は食べさせると、また嘔吐してしまい更に脱水、体力低下を
招いてしまうので絶食をさせます。

 

このような治療を続けて3〜4日間生存出来たならば
本来の回復力もあり徐々に回復、完治へと向かい7日間程で治ります。

 

パルボウィルス感染症は激しい嘔吐や下痢を引き起こし
犬を死亡にも至らしめる怖い病気なのですが
ワクチン接種をしていれば98%以上発症を予防出来ます。

 

 

 パルボウィルス感染症の予防法は?

 

 

ワクチン接種で98%は予防出来ると言われています。
ではワクチン接種の時期なのですが生後6週目からスタートして
3〜4週間どとに3回の摂取が必要です。

 

しかし、これは母犬から母乳をもらうことが出来て
体内に抗体がある子犬の場合で生後すぐに母犬から離された子犬は
ワクチンの接種時期が異なり生後2〜3週間の間に初回のワクチン接種を行い
その後は同じく3〜4週間後に次の接種を行います。

 

 

 パルボウィルス感染症の感染経路を絶つ!

 

 

パルボウィルスは恐ろしいぐらいに丈夫なウィルスで犬の体外でも
1年ぐらいなら生存が可能なウィルスです。
パルボウィルスに感染してしまって、頑張って治療をして完治しても
パルボウィルスが生きている犬舎に戻してしまったら・・・・。

 

ですので治療と共に、ウィルスに汚染されたと思われる箇所全てを
消毒する必要があります。

 

犬舎であったり、嘔吐した床、糞をしたであろう場所など全てです。

 

消毒と聞くとアルコールやクレゾールを使用すると一般的には思われますが
このパルボウィルスはアルコールなどでは消毒効果がほとんどありません。

 

パルボウィルスに効果的なのは乳児の哺乳瓶の消毒液として薬局などで
販売されている次亜塩素酸ナトリウム溶液です。

 

しかし、この溶液を原液のまま使用すると人体や犬に
悪影響がでる恐れがあるため30倍程を目安に薄めてから使用しないといけません。

 

手間暇を考えると、このような除菌スプレーを
常備しておくのも良いかもしれません。
手軽に除菌、消臭が出来ますので散歩から帰って直ぐに犬の足などに
スプレーして日頃から予防に努めるのが確実です。
犬や人間にスプレーしても全く問題ない商品です。

 

 

 


 


 

 


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